コスト踏み倒しメタとは
はじめに
デュエマには「コスト踏み倒し」というカードの使い方があります。これはカードに記載されている正規のマナコストを一切支払わずに何らかの効果・能力でクリーチャーをバトルゾーンに出したり、呪文を唱える方法などを指します。
基本的にマナゾーンのカードを1枚もタップせずにカードを使うのが「コスト踏み倒し」で、《ヤッタレマン》などの効果を使って正規のコストより少ないマナでカードを使うものは「コスト軽減」と区別されます。
ところでメタってなに?
「流行」のような意味を持つ言葉で、トレーディングカードゲームの世界では非常によく使われます。「トップメタ」というと今一番流行っているという意味になります。
しかし「コスト踏み倒しメタ」と呼ぶと「流行」というよりは「対策」という意味合いが濃くなり、訳しますと「コスト踏み倒し対策」となります。
本稿ではクリーチャーのコスト踏み倒し「対策」の方の「メタ」を解説していきます。
なんで踏み倒しメタ(対策)が必要なの?
結論から述べますと、コスト踏み倒しはが非常に強力で放っておくと一瞬で勝負が決まってしまうからです。殆どの場合、コストを踏み倒してカードを使う能力は非常に強いとされています。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時の効果がコスト踏み倒しの能力になるのですが、その内容たるや「クリーチャーを1体破壊すれば墓地から好きな進化ではないクリーチャーをコストを支払わずにバトルゾーンに出す」というとんでもないものです。
何がどうとんでもないのか、コスト踏み倒しの恐ろしさにまだピンと来ていない方は下記のカードをご覧ください。
《逆襲の支配者 ニュー・ディアボロス》
《魔龍バベルギヌス》は墓地にあるクリーチャーであれば、それが進化でさえなければこのようなコスト20のクリーチャーですらコストを踏み倒して(コストを支払わずに)バトルゾーンに出せます。
たしかに《魔龍バベルギヌス》分の7コストは支払ってはいますが、その恩恵でコスト20のクリーチャーが出てくると「コストとは一体・・・」と呆気にとられてしまいます。
それが祟ってか、《魔龍バベルギヌス》は殿堂カードに指定されデッキに1枚しか投入できなくなってしまいましたので、あまり実用的ではなくなってしまいました。
デュエマには大きな2つの踏み倒し能力がある
今は1つ増えて3つ「Jチェンジ」が増えています。大きな2つの踏み倒し能力。
「Jチェンジ」は「革命チェンジ」とだいたい同じなので、該当箇所を読み替えていただけますと幸いです。
それが「侵略」と「革命チェンジ」です。
これらは今現在も大変よくつかわれているコスト踏み倒しの手段なので是非覚えておいてください。
以下がそれらの簡単な説明です。
侵略の恐怖
デュエマの強力なコスト踏み倒しの一つがこの「侵略」です。この能力を持った最もメジャーなものが《轟く侵略 レッドゾーン》という進化クリーチャーで、これは最速で2ターン目、多くは3~4ターン目に進化元となるクリーチャーの攻撃時にこの能力を使ってコストを支払わずに進化してバトルゾーンに出し、盤面にいるクリーチャーを焼きはらいながらT・ブレイカーを放ってきます。
(写真)コスト踏み倒し能力「侵略」で登場し盤面を焼き払いながらT・ブレイカーを叩き込む《轟く侵略 レッドゾーン》
この「侵略」能力を持っているクリーチャーはカードに「侵略」と、その使用条件が書かれています。
バトンタッチで革命チェンジ
もう一つのコスト踏み倒しの一つがこの「革命チェンジ」です。革命チェンジは元となるバトルゾーンにいるクリーチャーの攻撃時にこの能力を使って、コストを支払わずに攻撃元のクリーチャーを手札に引っ込めて代わりにこの能力を保持したクリーチャーをバトルゾーンにだし、初めにいたクリーチャーが宣言した攻撃をあたかも手札~バトルゾーン間でバトンタッチするかの如く新しく出てきたクリーチャーが引き継いで遂行します。
バトルゾーンと手札の間でクリーチャーが入れ替わるから「革命チェンジ」です。
この能力を保持し、最も使われているのはやはり《蒼き団長 ドギラゴン剣》でしょう。
これはほぼ3ターン目に突然やってきてT・ブレイクを放ちながら、「ファイナル革命」という能力でW・ブレイカーとシングル・ブレイカーを引き連れてきます。
コスト踏み倒しメタクリーチャーで防衛線を張っていないと当然革命チェンジをやられますしそうなったら最後、あとはシールドからS・トリガーが運よく出てくれるのを待つだけになってしまします。
速い・強い・カッコいいと3拍子揃ったカードです。
(写真)コスト踏み倒し能力「革命チェンジ」で登場しコスト合計6以下になるよう多色クリーチャーを呼び寄せ一気に殴る《蒼き団長 ドギラゴン剣》
この「革命チェンジ」能力を持っているクリーチャーはカードに「革命チェンジ」と、その使用条件が書かれています。
各文明のコスト踏み倒しメタ一覧
下記一覧の項目説明
能力
そのクリーチャーが保有する具体的な踏み倒し能力の詳細です。
革命&侵略の攻撃
この2つは攻撃をしながらコストを踏み倒してくる能力です。
CIP
Come into Playの略でバトルゾーンに出た時の能力を指します。
コスト踏み倒しを行ったクリーチャーを破壊やバウンス(手札に戻すこと)を行った場合でもCIPが使えるのかどうかを表しています。
備考
筆者の雑感です。
水文明
《異端流し オニカマス》タイプ:クリーチャー
文明 :水
パワー:2000
コスト:2
種族 :ムートピア
能力
相手のターン中に、相手が召喚以外の方法でクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを持ち主の手札に戻してもよい。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを手札に戻すことが出来れば中止される
CIP
使用可能
特殊
アンタッチャブル保有(呪文やCIPで選べない、攻撃は可能)
備考
コスト2と非常に軽くアンタッチャブルのおかげでとにかく死なない随一の厄介さです。CIPの使いまわしを避けるために戻さないという選択も出来るのも強み。ひたすら生き残るので最後にダイレクトアタックを決めるためのフィニッシャーとして出てくることも。
光文明
《制御の翼 オリオティス》
タイプ:クリーチャー
文明 :光
パワー:2500
コスト:2
種族 :ジャスティス・ウイング
能力
相手が、自身のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストの大きいクリーチャーを出した時、相手はそのクリーチャーを自身の山札の一番下に置く。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを山札送りに出来れば中止される
CIP
使用可能
備考
コストが軽く相手のみにデメリットを与え、尚且つパワーが2500と光文明の恩恵により通常より500高いのが利点です。ただしブロッカーを持ってしまっているのがシステムクリーチャーとして欠点になりかねません。(ブロッカーを破壊する能力はとても豊富)また、破壊ではなく山札の一番下に置くのもメリットで、これによりそのカードの再利用を難しくします。
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》
タイプ:クリーチャー
文明 :光
パワー:2000
コスト:2
種族 :メタリカ
能力
相手のマナゾーンにあるカードの枚数よりもコストが大きいクリーチャーを相手がバトルゾーンに出した時、相手はそれを自身の山札の一番下に置く。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを山札送りに出来れば中止される
CIP
使用可能
備考
《制御の翼 オリオティス》とほぼ同一ですが、パワーが500少なくブロッカーでなくなった代わりに、攻撃ができるようになりました。破壊ではなく山札の一番下に置くのも同一です。
自然文明
《デスマッチ・ビートル》
タイプ:クリーチャー
文明 :自然
パワー:13000
コスト:2
種族 :ジャイアント・インセクト
能力
相手のターン中に、相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーとそのクリーチャーをバトルさせてもよい。
革命&侵略の攻撃
このクリーチャーがその攻撃クリーチャーとのバトルに勝利/相打ちし破壊に出来れば中止される
CIP
使える
備考
相手のターン中に相手がコスト踏み倒しを行った場合、そのクリーチャーとこの《デスマッチ・ビートル》とで任意でバトルを行います。革命チェンジや侵略で出てきたクリーチャーとバトルして勝利をすれば相手クリーチャーは破壊され攻撃も止まります。バトルですのでパワーが重要です。下記が《デスマッチ・ビートル》と同じかそれ以上のパワーを持つ革命チェンジ持ちと侵略持ちのクリーチャーになります。
革命チェンジ持ちでパワーが同じかそれ以上のもの
《ドギラゴン・フォーエバー》13000《龍の極限ドギラゴールデン》14000
侵略持ちでパワーが同じかそれ以上のもの
《革命類侵略目 パラスキング》14000
《超九極 チュートピア》 15000《超九極 モモタルス》 15500
《極まる侵略G.O.D.》 15500
《超獣軍隊 ベアフガン》 21000
火文明
《単騎連射 マグナム》
タイプ:クリーチャー
文明 :火
パワー:3000
コスト:3
種族 :アウトレイジ
能力
自分のターン中に、相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのクリーチャーはバトルゾーンのかわりに持ち主の墓地に置かれる。
革命&侵略の攻撃
自分のターンのみなので対象外
CIP
使えない
特殊
殿堂
備考
S・トリガー持ちクリーチャー、ニンジャ・ストライク、革命0などを含め、自分のターンに相手がクリーチャーを出すことを完全に禁止する、あまりに逆転要素を削ぐためか相棒の《音精 ラフルル》と共に殿堂入りした。バトルゾーンに着地も出来ないのでCIPも使えない凶悪さ。効果が自分のターン中のみということで他と違いこれは自分の攻撃時に輝くコスト踏み倒しメタ。これを出して一斉攻撃を行う。殿堂入りしたので1枚しか入れられない。
《早撃人形マグナム》
タイプ:クリーチャー
文明 :火
パワー:3000
コスト:4
種族 :デスパペット/エイリアン
能力
いずれかのプレイヤーが、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを破壊できれば中止できる
CIP
使える
備考
革命チェンジ、侵略をほぼ止めるが出来ます。相手だけでなく自分にも効果が及んでしまうのはデッキの組み方で回避は出来ます。そしてこのクリーチャーはスピードアタッカー持ちなのでいざとなれば攻撃に参加できるのがポイントです。
《マグナム・ルピア》
タイプ:クリーチャー
文明 :火
パワー:3000
コスト:3
種族 :ファイアー・バード
能力
相手が、自身のマナゾーンのカードの枚数よりコストの大きいクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを破壊できれば中止できる
CIP
使える
備考
早期の革命チェンジ、侵略をほぼ止めるが出来ます。
闇文明
《百発人形マグナム》
タイプ:クリーチャー
文明 :闇
パワー:4000
コスト:4
種族 :デスパペット
能力
いずれかのプレイヤーが、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーまたはクロスギアをバトルゾーンに出した時または呪文を唱えた時、そのプレイヤーは自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを相手が破壊することを選んだのなら攻撃は中止される。それ以外だと攻撃は継続される。
CIP
使える
備考
マナをタップせずにクリーチャー、クロスギア、呪文をプレイした時にそのプレーヤーは自分のクリーチャーを1体破壊します。これは破壊されるプレーヤーが好きな自分のクリーチャーを選ぶので、ウィニーや不要になったクリーチャーを犠牲にすれば革命チェンジや侵略したクリーチャーを残して攻撃を続行することが出来ます。コスト踏み倒し呪文にも反応するのが面白いです。
《マタドール・マルクーゼ》
タイプ:クリーチャー
文明 :闇
パワー:1000
コスト:2
種族 :マフィ・ギャング
能力
相手のターン中に、相手が召喚以外の方法でクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーを破壊できれば中止される
CIP
使える
備考
単純明快なマフィ・ギャングのコスト踏み倒しメタ。相手のターン中に相手が召喚以外でクリーチャーを出したらそのクリーチャーを破壊します。
多色
《ウソと盗みのエンターテイナー》
タイプ:クリーチャー
文明 :闇/火
パワー:4000
コスト:4
種族 :ヒューマノイド/ダークロード
能力
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
攻撃
攻撃クリーチャーを破壊できれば中止される
CIP
使える
備考
いずれのターンでも相手クリーチャーのコスト踏み倒しを許さないのがこのクリーチャーの特徴です。CIPは使われてしまいますがシールドブレイク時にもしっかり働いてくれるのは大きいです。また、バトルゾーンに自分の他のクリーチャーがいればこのクリーチャーは攻撃されないのである程度除去耐性があるというのもこのカードの強みです。
ゼロ文明
《洗脳センノー》
タイプ:クリーチャー
文明 :ゼロ
パワー:4000
コスト:3
種族 :ジョーカーズ
能力
相手は、自身のターン中、召喚以外の方法でクリーチャーをバトルゾーンに出せない。
攻撃
出せないので出来ない
CIP
出せないので使えない
備考
革命チェンジ、侵略をほぼ完全に使用不能にしクリーチャー自身のパワーも4000と高く、ゼロ文明なのでどのデッキにも入るのが特徴です。効果が相手のターンにしか適用されない故、こちらが攻撃→シールド・ブレイクして出てきたS・トリガーはそのまま使われてしまいますが、革命と侵略を封殺出来るんだからデメリットでも何でもないです。(S・トリガーは使われて当たり前なんです!)
この裁定は変更されました。現在は革命チェンジ、侵略、Jチェンジなどの宣言そのものが行えなくなっていますので、例え攻撃トリガーで《センノー》を除去しても宣言を行っていないのでこれらの効果は使うことが出来ません。
《ポクチンちん》
タイプ:クリーチャー
文明 :ゼロ
パワー:3000
コスト:3
種族 :ジョーカーズ
能力
相手のターン中に、相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手はそれを自身の山札の一番下に置く。
革命&侵略の攻撃
攻撃クリーチャーは山札送りにされ中止される
CIP
使える
備考
相手のターン中であれば、コストを支払わずに出てきたクリーチャーを「召喚」「バトルゾーンに出す」、いずれの出し方でも山札に送り返します。
最後に
先述した通り、「革命チェンジ」「侵略」という広く利用されているコスト踏み倒しが存在する限り、コスト踏み倒しメタの存在を蔑ろにすることはできません。もし今後大会に出るというプランをお持ちなのであれば、このコスト踏み倒しとそのメタカードの導入を一考される事を強くお勧めします。
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